マイホームの増改築等 減税と増税、両方に備える

マイホームにまつわる税金についてお伝えするシリーズの第3回です。今回は、マイホームを増改築等(耐震・バリアフリー・省エネ・多世帯同居・子育て対応などのリフォームを含みます)する場合についてお伝えします。

増改築等は、要件を満たせば税金が軽減される話だけでなく、建物の評価額が上がることで税負担が新たに増えることもある話です。増えること自体は避けられませんが、それを和らげる減税制度もあわせて用意されています。まず減税についてお伝えし、その後に新たに課税される税金についてお伝えします。

※本記事は令和8年7月時点で施行されている法令に基づいて執筆しております。ここで取り上げる制度の多くは、工事の内容・時期によって適用の可否や金額が変わるうえ、税制改正のたびに見直されています。

マイホームの増改築等によって、住宅ローン減税や贈与税の非課税など減税になり得るものと、評価額上昇による不動産取得税・固定資産税・都市計画税の増加という新たな税負担の両方が起こりうることを示す図。
増改築等では、要件を満たせば減税になる一方、評価額が上がれば新たな税負担が生じることもあります

1 住宅ローン減税(所得税)

住宅ローンを組んで増改築をする方向けの制度です。マイホームについて住宅ローンの借入をして一定の要件に該当する増改築等をした場合には、年末のローン残高(借入限度額2,000万円)の0.7%を最大10年間、所得税から控除できます。令和8年度税制改正により、この制度は令和12年(2030年)12月31日までに居住する場合まで延長されています。

適用を受けるためには、次の要件を満たす必要があります。

  • 【重要】指定機関が発行する増改築等工事証明書を取得すること(これがないと減税は受けられません。詳細は建築会社等にお問い合わせください)
  • その他法律上の要件を満たすこと

満たすべき要件がいくつもあり個別的な判断を要するので、当事務所にご相談ください。

2 住宅特定改修についての減税(所得税)

1の増改築より範囲は狭くなりますが、住宅ローンを組まなくても対象となる制度です。

マイホームについて、次の①〜⑤いずれかの工事をした場合には、その年分の所得税について最大60万円〜80万円の税額控除を受けられます。工事の種類や組み合わせによって上限が変わります。

この制度は令和10年(2028年)12月31日までに居住する場合まで延長されています。

  • ①耐震改修
  • ②バリアフリー改修
  • ③省エネ改修
  • ④多世帯同居改修
  • ⑤子育て対応改修

住宅ローン減税とは異なり、控除を受けられるのは工事をした年分の所得税のみで、複数年にわたる控除ではありません。

※こちらの増改築等は、1の住宅ローン減税における増改築等とは内容が異なります。

適用を受けるためには、次の要件を満たす必要があります。

  • 【重要】指定機関が発行する増改築等工事証明書を取得すること
    ※①耐震改修のみを行う場合は「住宅耐震改修証明書」でも可
  • その他法律上の要件を満たすこと

要件の詳細は個別に判断が必要なため、当事務所にご相談ください。

3 贈与税の非課税措置

親や祖父母などから資金援助を受けて増改築をする方向けの制度です。直系尊属から資金の贈与を受けてマイホームについて一定の要件に該当する増改築等を行った場合には、資金援助された金額のうち、省エネ性能などを満たす工事であれば最大1,110万円分(基礎控除110万円を含む)、それ以外の工事であれば最大610万円分まで、贈与税が非課税となります。この非課税措置は令和8年(2026年)12月31日までの贈与が対象で、本記事執筆時点(令和8年7月)では、その後の延長は決まっていません。

適用を受けるためには、次の要件を満たす必要があります。

  • 【重要】指定機関が発行する増改築等工事証明書を取得すること
  • その他法律上の要件を満たすこと

こちらも要件の判断が難しいケースが多いので、お気軽にご相談ください。

4 不動産取得税、固定資産税、都市計画税の課税

(1)増税の可能性

増改築等をするすべての方に関係する話です。上記1〜3の増改築等を行うことにより、マイホームの固定資産税評価額が上がる場合があります。その場合には、増加した分について不動産取得税、固定資産税、都市計画税が新たに課税されます。

マイホームの増改築等をする場合には、次の申告が必要となる可能性があります。

  • 不動産取得税 不動産所在地の都道府県への申告
  • 固定資産税(都市計画税を含む) 不動産所在地の市町村(東京23区は東京都)への申告

(2)軽減措置の可能性

上記1〜3の増改築等に当てはまる場合には一定の軽減措置があります。【重要】軽減措置の適用を受けるためには、上記1〜3における増改築等工事証明書が必要です。

固定資産税の減額を受けるにあたっては、次の点にも注意してください。

  • 耐震・バリアフリー・省エネなどのリフォームによる固定資産税の減額は、令和13年(2031年)3月31日までに行われた工事が対象です
  • 減額の申告は、工事完了後3か月以内に、不動産所在地の市町村(東京23区内は東京都)に対して行う必要があります
  • お住まいの自治体から、これらのリフォームについて別途助成金等が交付される場合もあります

5 まとめ

マイホームの増改築等にあたっては税金のことは忘れがちですが、意外と多くの税金がからむものです。特に所得税・贈与税の減税や不動産取得税などの軽減措置の適用を受けるためには、増改築等工事証明書の取得のほかに一定の要件を満たすことが必要です。所定の要件を満たさなかったために、税金が想定外に多くかかったというケースもあります。

増改築は減税のチャンスがある一方、評価額が上がれば新たな税負担も生じます。

そうならないためにも、ぜひ早めにオンライン個別税務相談から予約のうえ、当事務所にご相談ください。

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